ご当地コスメ高知県。南国土佐のオーガニック農園で育つグアバから生まれたコスメシリーズ!
ご当地コスメブログtryaging's diaryへようこそ!
今日も日本各地のキラッとひかるご当地コスメ情報をお届けいたします。
さて、今回は高知県発のご当地コスメをご紹介します。(初高知県です!)
太陽が降り注ぐ高知県南国市の、自家農園で有機栽培されたグァバ使用の実力派。
『天海のしずくオーガニック』です!
どんなものなのか、ご紹介してまいりますね。
南国土佐のオーガニック農園で育まれるグアバ
私は普段インスタグラムでご当地コスメを探していて、いいな!と思ったブランドをフォローさせていただいています。『エンジェルガーデン南国』さんとのつながりも、インスタグラムからでした。
「有機JAS認証の自家農園でグアバを栽培しています。(中略)弊社にも主原料から自分たちの手で栽培するオーガニックコスメ『天海のしずくオーガニック』がございます」と、メッセージをいただいたのです。
高知県は温暖な気候で知られていますが、熱帯のフルーツであるグアバが栽培されているとは知りませんでした。
グアバはレモンの倍以上のビタミンC とカリウムが、また果肉の赤い部分にはβ-カロテンが含まれ、美容にとてもいい果物。また、グアバの葉には、ポリフェノールの一種であるケルセチンやタンニンが豊富に含まれています。そのため、グアバ茶は昔から健康維持に良いものとして知られてきました。
南国にしがわ農園さんは、農薬・化学肥料不使用の、究極の自然農法。土作りから行い、虫も一匹一匹人の手で取り除くほど、とてつもない手間ひまをかけて大切にグアバを栽培しています。生態系が守られているので、葉を食べる虫を食べる昆虫たちも集まって来るのだそうです。
自家農園のグアバの可能性を活かしたコスメ
美容・健康に良い植物を、国内の有機JAS認証の自家農園で栽培され、さらにオーガニックコスメにしているとは!興味を惹かれて、トライアルセットを注文しました。
『天海のしずくオーガニック』を開発された西川きよさんは、オーガニック美容家。生まれたばかりのお子さんがすぐ皮膚トラブルを持っていたことから、それまでの衣食住全てを見直されたそうです。もともとご自身も敏感肌で悩んでいたこともあり、化学物質を使用しない化粧品メーカーを設立されました。さらに体の内側からのケアを考えていたときに、高知県産グアバと出合います。
西川さんは耕作放棄地をグアバの果樹園に転作され、南国にしがわ農園を開園。グアバの持つ健康・美容への働きを追い求め、長い時間をかけ専門機関で研究を行いました。その結果、海外産のグアバとの比較で、自家農園のグアバ茶はポリフェノール含有が多いなどの優れたエビデンスが明らかとなりました。
『天海のしずくオーガニック』は、南国に降り注ぐ太陽の光と豊かな土壌、愛情いっぱいに育てられたグアバの恵みの賜物なのです。
それでは『天海のしずくオーガニック』トライアルセットを使ってレポ!
ホイップソープ
ワンプッシュでふわふわの泡が出てくる、フォームタイプの石けん洗顔料です。室戸海洋深層水を用いているのも特徴。洗い上がりはスッキリした肌感触ですが、つっぱらず、うるおいは守られている使用感でした。オーガニック成分配合率は98%。
化粧水
無色でとろみはありませんが、その分浸透が早く、塗ったあとの肌はすべすべ感触。有機JAS自家農園で育てたヘチマ水のうるおいがいっぱい。マヨナラ葉油など精油の香りがほんのりです。オーガニック成分配合率は95%。
美容液
少量でも伸びの良い乳液状の美容液です。植物の力だけで乳化させているのが大きな特徴。肌なじみのいい、みずみずしい使用感で化粧水との相性は抜群!オーガニック成分配合率は97%。
クリーム
とてもコクがあり、スルスルッと伸びるクリームです。包み込むようなうるおい感があるのに浸透が早く、ベタつきが残らないので、快適な使い心地。グアバシードオイルやホホバ種子油シア脂などの保湿成分も配合。オーガニック成分配合率は97%。
フィトシードオイル
透明で、さらりとした感触のオイルです。そっと肌に馴染ませると柔らかい感触に。希少な有機グアバ種子油に、アルガンオイルやホホバオイルなどを配合して保湿。かすかな精油の香りも使う楽しみを与えてくれます。オーガニック成分配合率は99%。
いずれも、合成界面活性剤・合成防腐剤・合成着色料、合成香料は不使用。植物が持つ乳化作用や防腐効果を最大限に利用しています。天然の色・天然精油の香りを活かしたオーガニックコスメシリーズです。
グアバ茶などの食品も製造されています
自家農園製のグアバ茶はコクがあり、ほのかに甘みがあって美味しい!注文の際、アンケート回答でプレゼントしていただきました。甘いものをよく食べる人(私)の味方になってくれます。
グアバの葉などを使ったチップスも送ってくださいました。罪悪感なしのおやつにぴったり!
エンジェルガーデン南国さんは、農業と福祉の連携で、働く人々の幸せをも追求しています。高知の日差しと大地を舞台にすくすくと育つグアバと、汗を流す人々。そこは、オーガニックをキーワードとした、ひとつの楽園なのかもしれません。
南国エンジェルガーデン 南国にしがわ農園さんのwebサイトはこちらです。
今回も読んでくださり、ありがとうございました!
オーガニックなご当地コスメ選びの参考になれば幸いです。
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コスメ原料を育む島へ〜高島でリトコスさんのイベントに参加しました!
「加唐島のツバキを使用したハンドスプレーづくり体験」に行ってきました。
このイベントは、唐津市の株式会社Retocos(リトコス)さんが、北海道の「みんなのすながわ」の実行委員長・今井浩恵さんをゲストに招いて島の子供達との交流の場創造を目的に開催したものです。
今回はその様子を写真多めでお伝えしますね!
高島とはこんな島
唐津城を望む渡船場から、定期船で約10分。唐津湾に浮かぶ小さな島・高島。この島の名所といえば、「宝当神社」。宝くじにご利益のある神社として、マスコミにも紹介されています。高額当選を願って参拝する人が訪れているのですよ。
船を降りると、唐津南高校の学生さんたちが出迎えてくれました。大人に混じって子どもたちも元気に参加。一緒に住宅地の路地を進んで行くと、畑が広がり始めます。どんどん歩いていって、山のふもとの畑にたどり着きました。
まずはホーリーバジルの植樹体験
午前中は、畑の雑草取りです。耕作放棄地なのか、防草シートをしていても隙間からいろんな植物がはびこっていて、なかなか手強そう。参加の皆さんは各自軍手をはめて(私も)、雑草を引き抜き、シートの穴の空いた部分を掘り返していきます。これがなかなか大変です。
雑草、といっても一つひとつ名前のある植物、申し訳ないけど、君たちは他の場所で繁殖してくれ~!と思いながら、引き抜いた雑草を畑の外に。
掘り返した穴の中に、ホーリーバジルの苗を植えていきます。水を与えられた小さな苗からは、すでに爽やかな香りが漂っています。高島の太陽と土に育まれて、やがてお茶や化粧品の原料に活用されると思うと楽しみです。
ホーリーバジルの畑での作業が終わると、公民館に移動してランチタイムです。
学生さんたちを始め、スタッフの方々が季節の野菜たっぷりのお昼ごはんを用意してくださいました。
巾着煮や春巻き、柑橘(甘夏かな?)をつかったサラダや魚の唐揚げ、お味噌汁にはアスパラに黒と白のきくらげが入っていて、とってもヘルシー。美味しくて、お腹いっぱい大満足です。
香り×香りのハンドスプレーづくりワークショップ
午後の部から、ハンドスプレーづくりのワークショップ。公民館の講堂は子どもたちも混じって、満員御礼です。
主催であるリトコスさんは、島の資源をコスメの原料として活かし、島と人々が共生しながら豊かに暮らせる持続可能な未来を目指して4つの事業をおこなっています。その内容は、①コスメ事業、②ツーリズム事業、③コスメティック販売事業、④離島留学事業。
このワークショップもその一環になるのですね。
テーブルには、ビターオレンジ葉の精油をはじめ、調香された『ホワイトティー』や『キンモクセイ』の香料など、さまざまな香りが用意されています。
ワークショップ講師を務める望月亜希子さんは、みんなのすながわプロジェクト副実行委員長。ですが、黒板の写真や香りの名前を見て、ピンと来た方もいらっしゃるかもしれません。そうです、あの大人気ブランド『SHIRO』にいらっしゃった方です!
参加者の皆さんがSHIROの香りにうっとりしつつ、さらにどんな香りを組み合わせようか、ムエットを何度も嗅ぎながら、作りたい香りのイメージを考えます。
作り方は(ざっくりですが)緑のガラス瓶に選んだ精油や香料を垂らし、アルコールの入った容器へ滴下します。その後ローゼルエキス、甘夏の蒸留水を加え、ツバキオイルを計り入れて、よく振り混ぜて完成です。
私は柑橘に似た爽やかな香りのアオモジの精油に、スーッと落ち着くようなクスノキの精油の組み合わせ。甘夏の蒸留水も加えたアルコールスプレーを作りました。
少し大人っぽい深みのある香りに仕上がりました。ローゼルエキスによるほんのりとしたピンク色も素敵です。
私が体験したのはリトコスさんの事業のごく一部ですが、島の恵みを通して人との繋がり、健康と美、人口減少に対する活性化の試みなどが感じられました。
これからもコスメの原料の産地にできるだけ足を運びたいと思っています。
今回も読んでくださり、ありがとうございました。
ぜひいつか、キレイが生まれる島へ、訪れてみてくださいね。
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北海道浦幌町発のご当地コスメ『rosa rugosa』で感じる、ハマナスの花の恵みと地域の人々の想い。
いつもこのブログにお越し下さり、ありがとうございます!
また、最近このブログを見つけられた方、コスメコンシェルジュ関連でお付き合いさせていただいている方、よくお越しくださいました!
またまた素敵なご当地コスメ『rosa rugosa(ロサ・ルゴサ)』を見つけたので、ご紹介いたしますね。今回も、ハマナスを原料にした商品で、昨年秋に日本のオーガニックコスメを扱っている『茉華』さんで購入したものです。
愛らしい花のイラストのパッケージに一目惚れして買ってしまったのですが、中身も「これは!」と思えるクオリティ。発売元の株式会社ciokayさんの代表であり、ロサ・ルゴサの開発に関わってこられた森さんに、開発の背景などをうかがいました。
- 『ロサ・ルゴサ』とはハマナスの学名。そのチカラを改めておさらい。
- 「ママにはキレイでいてほしい」地域の子どもたちの気持ちが咲かせたコスメ。
- それでは『ロサ・ルゴサ』を使ってレポ!
- ハマナスを通してキレイと、地域とつながる。
『ロサ・ルゴサ』とはハマナスの学名。そのチカラを改めておさらい。
北の浜辺が初夏を迎える頃、豊かな香りを放つ紫紅色の花々が咲き始めます。英名・ジャパニーズローズと呼ばれるバラ科の花、それがハマナスです。学名は『ロサ・ルゴサ』。石川啄木や宮沢賢治など多くの文学者が、美しいハマナスの咲く情景を作品にしてきました。特に北海道ではおなじみの存在で、道花にも指定されています。
花そのものは可憐ですが、寒さに耐え潮風に強く、とてもたくましい植物。古来アイヌの人々は、花びらを煎じて飲んだり、果実を食したりと、ハマナスを様々なかたちで役立ててきたのだそうです。
事実、ハマナスには健康・美容に役立つビタミンCや、カロテン、タンニンなどのポリフェノール類が豊富に含まれています。
花から取れる精油はゲラニオールやシトロネロールなどが含まれ、香料として使われてきました。(精油そのものにも良い働きがありますが割愛させてください(泣))
つまり、コスメの原料としてもハマナスは魅力的な素材。
各社デパートブランドコスメが採用していることからも、その美容効果が伺えます。
そして北海道浦幌町のハマナスのチカラを地域おこしに役立てた結果が、今回ご紹介する浦幌町発の化粧品ブランド『ロサ・ロゴサ』というわけなのです。
「ママにはキレイでいてほしい」地域の子どもたちの気持ちが咲かせたコスメ。
北海道十勝地方に位置する浦幌町も、ハマナスが町の花。夏には浜辺に自生するハマナスが咲く風景が見られます。それだけでなく、「まちなか農園」では住民の方が1400株ものハマナスを栽培し、お世話をされています。
もともと、浦幌町は「うらほろスタイル」という地域おこし活動が盛んな町。地域を次世代まで残すための取り組みの背景にあるのは、人口流出などの危機感だったそうです。
「この町で生まれた子どもたちが、ずっと住み続けたいと思えるように」。
子どもたち自身に地元の魅力・価値を見つけてもらう取り組みで、中学生が提案したアイデアが、ハマナスを使った町おこしでした。食品やハーブティーなどの商品化が計画されましたが、販売においていくつもの壁があり、実現には至らなかったそうです。
その中で、「ママにはキレイでいて欲しいと子どもから言われた」というお母さんの一言が上がりました。そこで、ハマナスを使った化粧品開発がスタートしたのです。
コスメ開発では地元の主婦の方たちが定期的に会議に参加し、「自分たちが使いたくなるコスメ」をテーマに、コンセプトやパッケージなどを検討。合成香料・合成着色料・鉱物油・パラベンを使用せず、天然由来成分にこだわり、香りや使用感の改良を重ねてきたそうです。
目を引く愛らしいパッケージを飾るハマナスの絵も、住民の皆さんが関わっています。これは浦幌町で開催された、親子参加のハマナス写生大会の作品なのだとか。まさに地域一丸となって作り上げたコスメなのですね。
それでは『ロサ・ルゴサ』を使ってレポ!
『ロサ・ルゴサ』シリーズは、洗顔石鹸と2種のローション、セラム、ミルキーローション、ハンドクリームの6アイテム。
化粧品の全成や分表をみると、一番目にあるのが『ハマナス花水』。ハマナスの花を蒸留して得られる蒸留水です。これをベースに、トドマツ葉エキス(保湿)などの北海道産原料、自然由来原料が配合されています。
今回私が購入したのは、セラムとミルキーローション。保湿は大事です!
私は洗顔後にすぐこのセラムを付けています。香りは、ハマナスの花に若々しいボタニカルな香りも感じられる印象。つける時だけフッと香って、あと残りしないので使いやすいです。
ワンプッシュ取って手に広げ、顔全体に付けてなじませています。これだけで程よいうるおい感があります。
水性成分プラス油性成分配合の白濁タイプ。ナタネ油、ヒマワリ種子油、トドマツ葉油など北海道産原料を始めとする植物系オイルも豊富。保湿成分セラミドNPも配合。肌なじみも良かったです。
セラムのあとはミルキーローション。こちらは多めに使ってもべたつかない(※個人の感想です)ので、朝5プッシュ、夜8プッシュ手にとっています。軽やかなテクスチャーで、なじみも良く、水分と油分がいい感じの肌感触です。
こちらも北海道産原料のナタネ油、ヒマワリ種子油、トドマツ葉油などの植物系オイルに、スクワランも配合でしっとり保湿。
香りもおだやか、ハマナスと植物のフレッシュでグリーンな香気がふわっと漂います。やはり、自然の香りはいいですね(*˘︶˘*).。.:*♡
あと、ロサ・ルゴサの全成分表示を見てみて、パラベンフリーだけでなく、フェノキシエタノールフリーであることにも気付きました。
化粧品原料には防腐効果を併せ持つものもあるので、それらとエタノールをうまく配合して防腐効果を出しているのかなと推察(※あくまでも私の個人的な推察です)。全成分表示だけで化粧品を語ることはできませんが、こういった点もロサ・ルゴサの商品特徴のひとつと言えるのかもしれません。
ハマナスを通してキレイと、地域とつながる。
ロサ・ルゴサの開発から販売まで、ずっと関わって来られたのが、株式会社ciokayさんの代表である森さんです。
出身地である三重県から移住されるほど、浦幌町のまちづくりに惹かれた森さんが願うのは、浦幌町の雇用創出です。この地で育つ子どもたちに働く場を提供したい。その願いを託されたロサ・ルゴサは2018年の発売から全国に販路を広げ、現在はアメリカ・台湾でも販売されています。
それは「使って良かった」「これ、いいね」と感じる消費者の広がりにほかなりません。そこに、ご当地コスメの社会的な意義があると私も感じています。
何気なく手にしたコスメが、日本のどこかの自然に、その土地に生きる人々につながっている。キレイになれると同時に、地域とつながれる喜びを感じられるのが、今の時代のコスメだと思います。
浦幌町の浜辺で、美しいハマナスの花が咲く季節は、もうすぐです。
ロサ・ルゴサのウェブサイトはこちらでご覧いただけます。
いつもお読みいただき、ありがとうございます!
あなたのコスメ選びの参考になさっていただければ幸いです。
長崎県の山辺果樹園さんで、ネロリの蒸留体験に参加してきました。
行動制限のないゴールデンウィーク、いかがおすごしだったでしょうか?
私は昨年伺った山辺果樹園さんを再訪!ネロリの花摘み体験と、蒸留体験に参加してきました。
少人数でのイベントでしたが、福岡から参加される方が多く、アロマや精油に興味をお持ちの方には貴重な機会だったことが伺えます。
今回のブログは、皆さまにも山辺果樹園さんでの素敵なひとときを感じていただきたいので、写真多めでお送りしますね〜!
車から降り立つと、もうそこはネロリの芳香につつまれる香りの楽園。もともと、ネロリ精油はリラックス効果があるものですが、花の段階で直接漂ってくる香りは、ビターオレンジの農園でしか嗅ぐことのできない贅沢なもの。「この香りに会いたかった!」その一言に付きます。
山辺果樹園さんは有機JAS認証の農家さん。農薬を使っていないので、ビターオレンジ(橙)の樹の下は、ヨモギやカラスノエンドウなどなど、いろんな植物が生い茂っています。その中には野いちごも!これはネロリの花摘みのお楽しみ。子供の頃を思い出しながら、パクリ!プチッと野いちごの実が弾け、甘酸っぱい香りと味が口の中に広がります。
「ネロリの収穫には、樹の下にシートを敷いて樹をゆすって花を落とす方法もあるのですが、それだと枝や葉、虫まで落ちてきて蒸留するときの不純物になってしまいます。品質に関わってくるので、手間がかかってもうちは手摘みにこだわっています」と山辺果樹園の山辺さん。
山辺さんは、蒸留に使う水にもこだわっています。良いと言われる水を汲みに行ったり、地下水を検討したり…しかし望む香りがとれなかったり、分析すると蒸留に適さない成分があるなど、紆余曲折があったそうです。
水が安定しないと、蒸留水も安定したものになりません。その中で、やっと納得できる軟水にたどり着いたのだとか。「これから先、もっと良い水があれば検討したいです」その言葉に、山辺さんのものづくりへの姿勢が感じられます。
「蒸留は鮮度が一番大事です。劣化すると(量が)取れなくなってしまいますから」。自家農園で農薬に頼らずビターオレンジを栽培し、咲いたばかりのネロリの花を手摘みで収穫する。山辺果樹園さんの混じりけなしのネロリウォーターと精油は、このような方法で生産されています。効率第一の現代においてそれは、ある意味効率を度外視したものなのかもしれません。
「でも、この香りを知ってしまったら、もう他の方法はできないんです」と山辺さんは語るのです。
お話を伺っているうちに蒸留水がビーカーに溜まってきました。上の方にうっすら精油も浮かんでいます。この蒸留水を小分けにして、今日のお土産にしてくださいました。
ネロリ1キロの花から抽出できる精油の量は、わずか1グラム。その元はネロリの花びらにあります。「花を太陽にかざして見てください。小さな粒が、香りの成分なんですよ」山辺さんが教えてくださったようにしてみると、確かにありました!
可憐なネロリの花びらの、小さな小さな粒。ですが、その香りはなんと豊かなのでしょうか。この香りを、美容はもちろん心と健康に活かしてきた先人たちの知恵を、改めて偉大だ思うのです。
山辺果樹園さんでは、柑橘類の畑の隅でさまざまなハーブを育てています。テントを出て、畑を回りながら山辺さんがハーブを説明してくださいました。
蒸留体験が終わって、駅まで送ってくださる途中で、山辺果樹園さんのショップにも立ち寄ってくださいました。(西海橋そばの「エンチ」という食事処のお隣です)
そこでは青みかんパウダーやふりかけ、ジャムなどの食品や、精油、コスメブランド『ジュネロ』のアイテムなど、山辺果樹園さんのオリジナル商品が販売されています。青みかんといえば健康に役立つ成分として注目されているヘスペリジンが豊富。西海橋観光のお土産にもぴったりの品物が見つかります^^
ショップでは、柑橘以外にも長崎県の県木であるヒノキの木を使ったプロダクトや精油づくりなど、これからのものづくりの構想を語ってくださいました。
困難はいろいろあっても、前を向き、行動し続けてきたのは、何よりも山辺さんご自身が持っている感覚が根っこにあるからと感じました。
山辺果樹園さんのwebサイトはこちらです。
web上でのネロリ摘み&蒸留体験、楽しんでいただけましたら幸いです。
今回もお読みいただき、ありがとうございました!