岩手県のご当地コスメは、オーガニックと発酵の恵みが活かされたお米由来のハンドスプレーと洗顔石けん!
いつもこのブログにお越しいただき、ありがとうございます!今回のご当地コスメは岩手県から。「発酵で楽しい社会を!」をミッションに掲げる企業・ファーメンステーションさんをご紹介させていただきます。
実はわたくし、2年ほど前に開催されたジャパン・コスメティックセンターの「クリーン&ビューティーシンポジウム」で、ファーメンステーション代表の酒井里奈さんの発酵と事業に関するお話を聞き、いたく感銘を受けたのです。まずはファーメンステーションの始まりのストーリー、そして商品レポをお届けします!
トレースできるエタノール
元々は銀行や外資系金融機関でお仕事をされていた酒井里奈さん。金融の世界で大きな案件を担当されていましたが、発酵技術に興味を持たれ、東京農業大学に入学。醸造科学科で学ばれたのだそうです。
酒井さんが東京農業大学の研究室で出会ったのが、岩手県奥州市の農家の方が休耕田を活用して獲れたお米からエタノールを作り、バイオ燃料にする取り組み。酒井さんは卒業後、その事業を引き継がれたのですが、残念ながらバイオエタノールを作る取り組みは、コスト面で実現できなかったのだそうです。
そこで酒井さんが考えたのが、お米由来のエタノールを化粧品原料にすることでした。奥州市の農薬不使用で作られたお米も、作られたエタノールのほんのりとしたお米の香りも、化粧品原料として、とても魅力的な要素になります。
また、多くの化粧品や香水にはエタノールが使用されています。しかしエタノールは基本的な原料であるが故に、その由来を気にされることがなかった存在といえるのかもしれません。だからこそ『岩手県お米由来のエタノール』は大きな武器になる。
食品のトレーサビリティーが広まってきた頃で、酒井さんは「化粧品原料も、どこでどんな人が作ったかが求められるようになる」と、チャンスを見出したのです。
発酵が作り出す宝物
ファーメンステーションさんでは、食品・飲料加工の過程で出る残渣を活用するアップサイクル事業も行っています。廃棄するしかなかった食品の残渣を未利用資源として、価値のあるものに生まれ変わらせてくれるのも、発酵の恩恵です。
JR東日本スタートアップとの実証実験では、シードル製造後の青森りんごの搾りかすからエタノールを作り、ルームスプレーやデュフューザーの商品化に成功しています。
シンポジウムでは酒井さんがりんごのエタノールを持参されていて、休憩時間にその香りを嗅がせていただきました。一瞬、つんとしたアルコールの匂いはするのですが、その後の華やかな香りにびっくり!「これが発酵の力なのか…」と驚嘆したものです。
さらにすごいのは、エタノール抽出で出る発酵かすも、栄養価の高い家畜用飼料にできること。発酵の力で、産物を余すところなく使い切ることができる。酒井さんのお話を聴きながら、ワクワクした気持ちでいっぱいになったのを今も覚えています。
「発酵で楽しい社会を!」実現するために
ファーメンステーションさんの事業の柱は、化粧品・雑貨の原料用エタノールの開発・提供、未利用資源を活用する事業、化粧品・雑貨OEM生産、そして自社のオーガニックブランド事業。どの事業も私の想像をはるかに超える困難があったと思うのですが、独自の発酵技術と、酒井さんの明るくチャレンジ精神あふれる人柄の元に人々が集まり、乗り越えてきたのだと思います。
その成果が、日本初のオーガニック認証を取得したエタノールや、Japan BeautyTech Award2019特別賞受賞となって表れています。
それではファーメンステーションさんのコスメを使ってレポ!
まずは『お米でできたハンドスプレー フレッシュブリーズ(無香料)』の使用感から。
日本酒を思わせる香りに、『お米由来のエタノール』なのだなぁと実感します。また、米もろみ粕エキスを配合して、保湿も配慮されているのがいいですね。
すっかり手指の清潔意識が定着した、今の生活にフィットするハンドスプレーです。
しかも原料の100%は天然由来・原材料の71%は有機栽培原料・エコサートグリーンライフ認証・コスモスオーガニック化粧品。容器も再生プラスチックを使用しています。
『奥州サボン リッチ』 は、ファーメンステーションさんが最初に商品化した石けん。お米のエタノールを作る過程でできる「米もろみ粕」を有効活用できないかと考えられて開発されました。発酵系のコスメは今トレンドですが、日本の米と日本の麹を用いているのは個人的にもうれしいもの。毎日使う洗顔石けんならなおさらです。
奥州サボン石けんをネットに包んで転がすと、じわじわふわふわときめ細かい泡が立ってきます。そしてほんのり甘酒のような香りがしてきます。ここにも、お米と発酵の織りなす力を感じます。保湿成分としてホホバ油、アルガンオイル、ザクロ種子油、ツバキ油を配合。しっとりとした使い心地です。
加えてこの洗練されたパッケージデザインが素敵なんです!再利用しやすい袋をパッケージに採用しているのも、環境への配慮からなのですね。
ファーメンステーションさんの創業は2009年。世の中はどんどんトレーサビリティ、サステナビリティ、エシカル、クリーンビューティーへと向かっています。時代がやっと追いついたといっても過言ではありません。
これからも酒井さんがまいた発酵のタネは、様々な分野に根を張り、枝葉を伸ばし、大きな実りへとつながっていくことでしょう。
ファーメンステーションさんの商品はこちらのwebサイトで見ることができます。
いつもこのブログをお読みいただき、ありがとうございます。
あなたのコスメ選びの参考になれば幸いです。